Suicaをかざすだけで打刻!勤怠管理システムでFeliCaを使う方法
最近ではICカードによる打刻を採用する勤怠管理システムが続々と登場しています。今回はどのようなICカードが使えるのか、その種類や注意点について見ていきましょう。
ICカードでタッチするだけでラクラク打刻!
従来は紙のタイムカードを使った打刻方式を採用する企業が多かったのですが、「集計が大変」「複数拠点のタイムカードを回収する時間とコストがかかる」「保管するためのスペースをとる」といった悩みを抱える企業が多く、デジタルデータで記録できるタイムレコーダーと勤怠管理システムを併せて導入する企業が増えています。
認証方式は指紋認証、静脈認証、パスワード認証などその種類は多彩ですが、なかでも対応しているシステムが多く導入しやすいのがICカードによる打刻です。社員証や入館証をピッとかざすだけで良いので、出社・退社がとてもスムーズになります。
社員証や入館証以外にも使えるカードが多数
社員証や入館証が磁器タイプのためタイムレコーダーの打刻に使用できない…という場合も、普段の生活で使用しているICカードが利用できます。交通系ならSuicaやPASMO、ICOCA、電子マネー系ならnanaco、waon、楽天Edyに対応しているものが多いです。
これらのカードはFeliCa規格を採用したカードなのですが、これ以外にもMIFAREという規格に対応しているタイムレコーダーもあるので、打刻に使いたいカードの規格に合わせたタイムレコーダー選びをしましょう。
おサイフケータイも使えるのが嬉しい
中には、ICカードではなく携帯電話(スマホ)に搭載されたおサイフケータイを利用している人もいますよね。日本で販売されている携帯電話に搭載されているおサイフケータイはFeliCa規格を採用しているので、FeliCaに対応しているタイムレコーダーであればスマホをかざして打刻することもできます。
ICカードリーダーは何を使う?
ICカードやおサイフケータイによる打刻を利用する場合、カードの情報を読み取るカードリーダーが必要になります。これはシステムによって異なり、ICカードリーダーを内蔵した専用のタイムレコーダーを利用するものから、ソニーが販売しているPaSori(パソリ)などのカードリーダーをパソコンやタブレットに接続して使うものまで様々。
両者とも勤怠管理システムの利用料とは別に、機器購入(またはレンタル)費用がかかるケースがほとんどなので、「初期費用無料」と記載されている場合も、機器にかかる料金はしっかり確認しておきましょう。
アプリケーションをインストールしてタブレット自体をタイムレコーダーとして使うタイプにもICカードを読み取る機能を備えたものがあり、こちらの場合もカードリーダーが必要なケースが多いので確認が必要です。
導入時は対応する規格に注意
導入時に注意しておきたいのがカードの規格です。日本国内ではFeliCaという独自の規格が普及していますが、これは国際基準の規格とは異なるもの。
以前はFeliCaやMIFAREを総称して『NFC』と呼んでいましたが、日本で普及しているNFC TypeF(FeliCa)、海外で普及しているNFC TypeA(MIFARE)、NFC TypeBなど、規格が多いため、これらを包含した上位互換規格である国際規格『NFC』が策定されました。
もともと、FeliCaやMIFAREの総称としてNFCと呼んでいたこともあり、この国際規格の登場で『NFC対応』という記載には、
- FeliCaやMIFAREに対応している
- 国際規格としてのNFCに対応している
の2種類の意味合いがあります。
同じように感じてしまいますが、前者の場合にはNFC TypeB(マイナンバーカード、パスポート、住基カード)は含まれません。
打刻にマイナンバーカードやパスポートを使うことは無いので、注意したいのは携帯電話(スマホ)に搭載されているおサイフケータイによる打刻を考えている場合です。海外製のスマホの場合、NFC TypeA/Bしか対応していないことが多いので、おサイフケータイによる打刻を考えているのであれば、タイムレコーダーがどの規格に対応しているかはしっかり確認しておきましょう。
iPhoneもiPhone7からはFeliCaにも対応していますが、iPhone6(s)はNFC TypeA/Bのみの対応となっています。
多くのタイムレコーダーは日本で普及しているFeliCa(NFC TypeF)とMIFARE(NFC TypeA)に対応していますが、まれにFeliCa(NFC TypeF)のみしか対応していないというケースもあるので注意が必要です。
簡単タッチで出退勤をスムーズに
紙のタイムカードによる打刻はもちろん、デジタルの場合も自分の名前を選んでパスワードを入力するタイプのものは、打刻までに時間がかかります。打刻待ちの行列のせいで遅刻扱いになる場合もあり、他の人を待たせているという気遣いから従業員が出勤・退勤時にストレスを抱えることにもなりかねません。
ICカードに対応している機種だからといって費用がかかるとは限らないので、勤怠管理システムを導入する際は、タッチするだけで打刻ができるタイプも検討してみましょう。