タイムレコーダーのデータ出力がCSVとなっているけどエクセルとは違うの?
タイムレコーダー選びをしていると、必ず目にするのが『CSV形式でデータ出力ができます』という言葉。今回はCSV形式で出力できることのメリットや、CSVであることの意味を知ってタイムレコーダーのヒューマンエラーを回避するコツをご紹介します。
エクセルとCSVの違い
CSVファイルをエクセルの入っているパソコン上にダウンロードしてダブルクリックすると、エクセルで開くことができますよね?そのため、CSVとエクセルの違いがよく分からなくて困ってしまう人も多いのですが、そもそもCSVファイルは『テキストファイル』なのです。
CSVファイルは『Comma Separated Value』の略で『カンマ(,)で区切った値』のファイルを指します。ダブルクリックするとエクセルで開いてしまう場合は、ファイルを右クリックして[プログラムから開く]でメモ帳を選択し、開いてみましょう。
値がカンマで区切られた状態になっていることが分かります。
見やすさで言ったら、エクセルファイルのほうが断然見やすいので、「なぜCSVファイルの必要があるのか?」という疑問がわきますよね。この点をよく理解しておくと、タイムレコーダーを選ぶときにCSVファイルでのデータ出力機能があったほうがいいかどうかの判断が付きやすくなります。
出退勤情報を他システムと連携する場合にCSVが活躍
タイムレコーダーのデータをエクセルで加工して使うという場合はデータ出力がCSVファイルである必要性はあまりありません。むしろ、いちいちエクセル形式で保存しなおさなければいけないのでCSVだと面倒な点もあります。
では、CSVファイルが必要なケースとはどのような場合でしょう?
それは、タイムレコーダーのデータを勤怠システムや給与システムで使う場合です。タイムレコーダーによっては、あらかじめ主要な給与システムとの連携機能がついていることもありますが、自社で使っているシステムに対応していない場合は、CSVファイルを使って出退勤データを取り込む必要があります。
勤怠や給与システムと連携するときの注意点
ただ、ここで注意したい点がCSVファイルのフォーマットです。最初にご説明したとおり、CSVファイルとは複数のデータがカンマで区切られたものなので、システムがこれを読み込むとき、『1番目は社員コード、2番目は名前、3番目は日付・・・』といった具合に定義された設定をもとに判断していきます。
さて、ここで問題なのがタイムレコーダーが出力するCSVファイルの項目とシステムで読み込む項目の設定が違う場合です。
CSVファイルは『社員コード、名前、日付、出勤時間・・・』で出力されるのに対し、システムが『1番目は日付、2番目が社員コード、3番目が名前・・・』と判断して読み込んだらどうなるでしょう?
そう、間違ったデータになってしまいます。社員コードを日付として認識してしまったら、正しい集計ができません。
タイムレコーダーとシステムの連携を行う場合は、
- 出力されるCSVファイルのフォーマットが連携先システムで取り込める形式か否か
- 出力されるCSVファイルのフォーマットをタイムレコーダーで変更する機能はあるか否か
- 連携システム側で取り込む際のフォーマットを指定できる機能はあるか否か
を確認しておきましょう。
上記のいずれにも該当しない場合は、システム側でそのCSVファイルフォーマットに沿った取り込みを行うようカスタマイズをしたり、CSVフォーマットを変換(コンバート)するツールやプログラムを作って連携を補助する必要があります。
CSVを加工するときに気を付けたいこと
CSVファイルはエクセルで開くことができるので、エクセルファイルを編集するように、列を入れ替えたり、削除したりという加工ができます。
ただ、ここで注意したいのが、CSVファイルはあくまでもテキストファイルだということ。エクセルはカンマ区切りの値を自動判別して表形式で表示してくれているだけなので、上書き保存しても文字の装飾などは保存することができません。
文字の装飾を保存したいという場合は、別名保存で拡張子を『xlsx』に変更する必要があります。
そして、もう一つ気を付けたいのが『ゼロ落ち』です。社員コードでよくみられるのですが、『00001001』のように桁数分ゼロで埋めている場合、エクセルでは数値の『1001』と判断されてしまい、保存したときに左4ケタのゼロが消えてしまい『1001』で上書き保存されてしまう場合があります。これを『ゼロ落ち』といいます。
単にデータの間違いを修正したいという場合は、テキストファイルで開くか、CSVファイルエディタを使うようにしましょう。
どうしてもエクセルで加工したい場合はゼロ落ちを回避するためにも、最初にエクセルを起動し、[データ]-[外部データの読み込み]-[テキストファイル]から該当ファイルをインポートする方法を取りましょう。
ついついエクセルと混同しがちなCSVファイルですが、その仕組みを理解することでタイムレコーダー選びの失敗を避け、使い始めてからのヒューマンエラーを回避していきましょう。