小型で設置場所を選ばないタイムレコーダーならネットワーク対応の機器がおすすめ
タイムレコーダーを選ぶ際、小型でコンパクトなタイプを求める企業は多いものです。
しかし、単に小型なだけという理由で選ぶと失敗する恐れが…タイムレコーダーの設置方法や設置場所もしっかりと確認して選ぶようにしましょう。
小型タイプなのに場所をとる?!アナログタイプの盲点
ひと昔前に比べてタイムレコーダーも小型化され、文庫本程度の大きさのものまであり、タイムカードに印字するアナログタイプも小型なものが主流になっています。
古いタイムレコーダーを買い替えるという場合は特に問題はありませんが、初めてタイムレコーダーを導入する場合は、小型で低価格だからという理由だけでアナログタイプのタイムレコーダーを選ぶと、失敗してしまうことがあるので注意しましょう。
その大きな要因がタイムカードの保管場所です。
タイムカードを使うタイムレコーダーの場合、本体の設置だけでなく従業員が打刻をしやすいように、タイムカードを保管するホルダーの設置も必要となります。
単にボックスに入れておいてもいいですが、それでは探すのに手間取ってしまい打刻するまでの待ち時間が発生することで従業員から不満の声が挙がるというケースがあるので注意が必要です。
また、使用済みのタイムカードを保管するスペースも必要になるということも頭に入れておく必要があります。
タイムカードは1枚に1ヶ月分の出退勤データが印字されるので、保存しなければいけないタイムカードが1ヶ月毎に従業員数分増えていくことになります。
労働基準法の第109条では以下のように定められており、労働関係に関する書類にあたるタイムカードは3年間保存しておく必要があるのです。
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない。
出典:労働基準法109条 記録の保存
過去3年分のタイムカードを保存するということは、場所の問題だけでなく、従業員の入れ替わりに伴う整理や、3年以上経過したタイムカードの破棄など管理の手間もかかります。
ICカードによるタッチなら備品の管理がいらない
小型でコンパクトなものを探しているのなら、アナログタイプだけでなく、デジタル対応のタイムレコーダーも候補に入れて検討してみましょう。
むしろ、ICカードでタッチするタイプは本体の厚みがないため、よりすっきりしたデザインのものが多いです。
また、ICカードによるタッチや指紋認証のものであれば、従業員入口にタイムカード置き場を設置する必要がないうえに、過去のタイムカードを保管する場所も確保する必要がないというメリットがあります。
なによりも、タイムカードの購入から、名前の記入、保管、管理、支店から本社への配送といった備品管理の手間をはぶくことができるという大きなメリットがあります。
設置工事は必要?無線LAN対応の機器なら工事不要
デジタル対応のタイムレコーダーはネットワーク接続が不要なものと必要なものに分かれます。
前者の場合は、タイムレコーダーの電源さえ確保できればいいので、設置工事は不要なのが嬉しいですね。
このタイプは出退勤のデータはタイムレコーダー自体に保存されるので、USBを使ってパソコンにデータを移す作業が必要なのですが、最近ではUSBを介さなくても、Bluetoothによるワイヤレス通信で、パソコンにデータを送信できるタイプも出ています。
反対に、ネットワーク接続が必要な場合、タイムレコーダーを設置する場所までLANを引く必要があります。
近年はインターネット環境が整っている企業がほとんどなので、既存の回線があれば、そこまで設置に時間はかかりません。
タイムレコーダーを設置する場所が多いなど、各所に有線LANを引くのが手間だという場合は、無線LAN対応の機種を選ぶのがおすすめ。
または、タブレットやパソコンにインストールして使うタイプや、Webブラウザベースの打刻システムであれば、タブレットやパソコンを無線LANに接続して使うことも可能です。
ネットワーク対応にすることで得られる3つのメリット
タイムカード式ではなく、ネットワーク対応のタイムレコーダー(ICカードや指紋認証式)を使うことの大きなメリットには次のような点が挙げられます。
- タイムカードの購入・管理・集計が不要になる
- 出退勤情報をリアルタイムで確認できる
- スムーズな打刻で待ち行列を解消
まず、第一にタイムカードに保持していた出退勤情報をデジタルデータとして保持するので、タイムカードの購入や管理、配送、手入力による集計といった備品費用や人件費、配送費用、労力がカットできるという点が大きいでしょう。
第二に、ネットワークを通してデータがサーバに保存されるので、月末を待たずとも従業員の出退勤時間の情報が確認できるというメリットがあります。
従業員の過重労働を防ぐにはリアルタイムで勤務実績を確認できる機能は必要不可欠と言えますよね。
そして、最後に、タイムカード式の打刻でよくあるお悩みが、混み合う時間帯の待ち行列の問題です。
どうしても、タイムカードを使った打刻の場合、自分のタイムカードを探して打刻し、タイムカードを戻すという作業が発生するので、打刻を待つ従業員が列になって並んでいるという状況が発生します。
就業時間前に着いていたのに、待ち行列のせいで打刻時間が遅くなり、遅刻扱いになってしまった…と従業員から不満がでるケースも少なくありません。
ICカードによるタッチであれば、出勤ボタンを押してカードをかざすだけという簡単さなので、打刻もスムーズです。
タイムカードを使ったアナログなタイムレコーダーには、低価格で導入しやすいという魅力はありますが、ネットワーク対応のものにすることで得られるメリットも数多くあります。
小型でコンパクトなもので迷っているのであれば、アナログ型だけでなく、ネットワーク対応型のタイムレコーダーも検討してみましょう。